クラックとは

クラックとは、英語で「割れ目」「裂け目」という意味で、建築の現場では外壁にできるひび割れを指します。

外壁でできるクラックには、主に以下の4種類があります。

■ヘアークラック

ヘアークラックとは、幅0.3mm以下、深さ4mm以下のクラックのことで、髪の毛のように細いクラックを意味する言葉です。
一般的にひび割れが起こりやすいと言われているモルタルだけではなく、窯業系サイディングやコンクリートの外壁にもヘアークラックは見られます。ヘアークラックは塗膜に発生するクラックなので、構造や鉄筋にも影響しないため緊急性がある状態ではありません。

■構造クラック

構造クラックとは、地震などによって住宅に力が加わることで起こるひび割れのことです。
構造クラックはひび割れが外壁の下地にまで及んでいる可能性が高く、住宅内部まで損傷が広まったり、倒壊したりする恐れがあります。
できるだけ早い補修が必要です。

■乾燥クラック

乾燥クラックとは、モルタルなどの外壁材で多く発生するひび割れで、原因は水分の蒸発時に起こる収縮です。
モルタル外壁は、壁材と水を混ぜて塗装する「湿式工法」という方法で下地を仕上げます。
この下地が完全に乾燥する前に塗料を塗ると、下地の収縮に追従できずひび割れを起こしてしまいます。
下地が完全に乾燥すれば、乾燥クラックもそれ以上悪化することはありません。

■縁切れクラック

縁切れクラックとは、外壁の一面を2度に分けて塗装した際、古い塗装面と新しい塗り口の間に発生するひび割れのことです。
外壁を2度に分けて塗装した場合、塗料の繋ぎ目部分が収縮してひび割れを起こしてしまいます。
外壁塗装は一度に仕上げるようにすることで、縁切れクラックは防げます。

 クラックによるリスク


外壁は雨風や紫外線などの外部の影響から、家の中で過ごす家族を守ってくれています。外壁が正常な状態であれば家族を守るという役割を果たしてくれますが、外壁が劣化したままだと生活を脅かしかねません。特にクラックは外壁の劣化の深刻な状況の一つなので、クラックを放置しておくことのリスクについても知っておきたいものです。

■雨漏り

外壁にクラックが発生すると、雨水が侵入しやすくなってしまいます。外壁内部に雨水が入り込むだけではなく、家の中まで雨漏りが起こってしまうことも考えられます。雨漏りは外壁や屋根の劣化の状態として最も深刻ともいえる症状の一つ。家の中まで雨漏りが起こってしまうと、家具や家電が濡れてしまって普段通りの生活を送れなくなってしまいます。雨漏りが起こる前にクラックを見つけたら早めに対応しましょう。

■爆裂

爆裂という言葉を耳にしたことがない方も多いかもしれませんが、外壁内部の鉄筋がサビ他ことで膨張し、コンクリートやモルタルから出てきて外壁を破壊してしまうこと。クラックだけではなく、コンクリートやモルタルが剥がれてしまうため、さらに雨水の侵入や腐食を進めてしまいます。

■構造体の腐食

クラックによるリスクはさまざまなものがありますが、放置していると家の構造体まで腐食してしまうことも。木造住宅であっても鉄筋コンクリート造であっても、構造部分に使われている木材や鉄にとって水分は大敵です。クラックがあると雨水が侵入して、構造部分を腐食してしまう可能性があるということです。木造住宅であれば、外壁材の下の防水紙が水の侵入を防いでくれていますが、長い期間雨水が侵入している状態であれば防水紙をも傷めているかもしれません。
鉄筋コンクリートであれば、コンクリートのアルカリ性で守られていた鉄筋が侵入してきた水分によって酸化して、サビを発生させてしまうことも。鉄筋がサビると強度を失ってしまうため早めの対策が必要です。

お客様の建物の環境や状態から総合的に、最適な施工方法をご提案いたします。